胸部X線


  • 胸部正面像
  • 撮影法
  • 立位、背腹方向の撮影が原則
  • 正常像
  • 肺門: 左肺門は右よりやや高い位置にある
  • 横隔膜: 右横隔膜は深吸気時で第10〜11後肋骨の間

  • 胸部側面像
  • 撮影法
  • 原則的に右→左方向に撮影
  • 病変が存在する場合は、病変側にフィルムがくるように撮影
  • 正常像
  • 気管支:
  • 左右の上葉気管支が2つの円形透亮像(上が右上葉気管支、下が左上葉気管支)としてみられる
  • 右上葉気管支: 明瞭な透亮像←ほぼ水平に分岐、上に左肺動脈、下に左肺静脈
  • 肺門陰影
  • 上部は肺動脈、下部は肺静脈

  • 局在診断
  • エアーブロンコグラムair bronchogram
  • 気管支がwater densityの物質で取り込まれた状態(pulmonary consolidation)による
  • 病変が肺内のものであることの証明になる
  • 胸膜外徴候extrapleural sigh
  • 境界先鋭な突出した陰影
  • 陰影端の先細り←胸膜がもち上げられる
  • 胸膜外病変(肋骨病変、縦隔腫瘍、横隔膜下腫瘤、胸膜中皮腫など)でみられる
  • シルエットサインsilhouette sign
    -画像-
  • helium overlay sign
  • 正常では肺動脈陰影は心陰影の外側より1cm以上内側まで透見されない
  • 中央陰影が拡大しているがその中に肺動脈陰影を認める場合は、心拡大や心嚢液貯留は否定し、縦隔病変を考える



  • ref57
  • 050708
  • 肺門陰影


  • 肺門位置の異常
  • 上葉の無気肺では患側の肺門の挙上がみられる

  • 肺門陰影の濃度の異常
  • 正常ではほぼ左右均等
  • 肺門陰影外側縁のシャープさがない場合は、肺野に微細な異常陰影が存在する可能性を考える(hilar haze)

  • 肺門陰影が小さい
  • 両側性
  • 右左短絡型の先天性心疾患
  • Fallot四徴症
  • 三尖弁閉鎖症
  • 完全大血管転位症
  • 一側性
  • 先天性肺動脈欠損症ないし形成不全症
  • 肺動脈閉塞症
  • 腫瘍の肺動脈への浸潤
  • 閉塞性肺過膨脹
  • 高度な無気肺で肺門が心陰影に隠れた場合

  • 肺門陰影が大きい
  • 両側性
  • 呼気時では肺門陰影は大きく見える
  • 左→右短絡型心疾患
  • リンパ節腫脹
  • 肺性心、左心不全、僧帽弁疾患などによる肺血管拡張
  • 肺動脈塞栓症
  • 多血症
  • 一側性
  • 腫瘍
  • リンパ節腫脹
  • 動脈瘤
  • 肺動脈弁狭窄によるpost stenotic dilatation
  • 肺動脈塞栓症


  • ref57
  • 050708
  • 孤立性腫瘤陰影


  • 概念
  • ほぼ円形の単発性の陰影
  • 大きさにより銭型陰影(coin lesion最大径2cm以下)と塊状陰影に分けられる
  • 結核腫と肺癌が大部分を占める

  • 読影ポイント
  • 病変の位置
  • 結核腫: S1,S2,S1+2,S6に好発
  • 肺膿瘍: S6,S10に好発
  • 肺分画症: S10に好発
  • 病変の大きさ
  • 結核腫は一般に2cm以下が多い
  • 辺縁の状態
  • 結核腫や良性腫瘍: 平滑で鮮鋭
  • 転移性腫瘍: 平滑で鮮鋭(多発することが多い)
  • 肺癌: 不整であることが多い
  • 石灰化
  • 悪性腫瘍で石灰化はまれ
  • 結核腫では2/3で石灰化を認める
  • 過誤腫では1/3で石灰化(ポップコーン状)を認める
  • 周囲
  • 結核腫: 近接した肺野に小さな病巣(satellite lesion)
  • 肺腺癌: 胸膜に切れ込み
  • 肺動静脈瘤: 索状陰影(流入動脈と流出動脈)


  • ref57
  • 050708
  • 多発性結節状陰影


  • 概念
  • ほぼ円形の直径約1cm以上の陰影が肺野に2個以上

  • 読影のポイント
  • 陰影の分布
  • 全肺野に散布性:
  • 転移性肺腫瘍
  • 肺胞上皮癌
  • Wegener肉芽腫症
  • 下肺野:
  • 肺膿瘍
  • 嚢状気管支拡張症
  • 寄生虫
  • 肺動静脈瘻
  • 陰影の辺縁
  • 肺膿瘍、嚢状気管支拡張症などでは不鮮明であることが多い


  • ref57
  • 050708
  • 空洞陰影


  • 概念
  • 非炎症性の空洞で壁の薄いものを特に嚢胞とよぶ

  • 疾患
  • 頻度の高いもの
  • 原発性肺癌: 内壁不整、壁が厚い(15mm以上はほとんど肺癌
  • 転移性肺腫瘍
  • 肺膿瘍(黄色ブドウ球菌B群連鎖球菌ノカルジア
  • 肺結核: 内壁平滑が多い
  • bleb, bulla, pneumatocele: 肺尖部や上肺野、壁は薄い
  • 嚢状気管支拡張症: 壁は薄い
  • まれなもの
  • 悪性リンパ腫
  • Wegener肉芽腫症
  • リウマチ結節
  • サルコイドーシス
  • 真菌症(アスペルギルスクリプトコッカス
  • 寄生虫症(肺吸虫症など)
  • 肺血腫
  • 肺梗塞
  • 肺嚢胞(気管支嚢胞、先天性肺嚢胞など)
  • 肺分画症


  • ref57;ref68
  • 050708;050802

  • びまん性・散布性陰影


  • 肺胞性病変と間質性病変の鑑別
  • 肺胞性病変
  • 辺縁不鮮明
  • 陰影の融合が起こりやすい
  • 陰影の分布は肺区域や肺葉に一致
  • 個々の腫瘤は5〜10mm
  • エアーブロンコグラム
  • 間質性病変
  • 初期はすりガラス状、進行すると微小粒状陰影から蜂巣状陰影を呈するようになる
  • 陰影の融合は起こりにくい
  • 陰影の分布は肺区域や肺葉と無関係
  • 個々の腫瘤は小さい
  • 網状陰影


  • ref57
  • 050708
  • 浸潤影の移動


  • 考える疾患
  • PIE症候群: 好酸球浸潤
  • BOOP: リンパ球浸潤


  • ref23,I134
  • 050724
  • 肺野の透過性亢進


  • 概念
  • 透過性が亢進し、正常な肺紋理がみられないもの
  • 気胸、嚢胞性疾患などがある



  • ref57
  • 050708
  • CPA鈍化


  • 概念
  • 胸水が約300mL以上貯留しないとX線像ではみることできない
  • 側臥位での水平方向撮影ではさらに少量の胸水でも証明できる

  • 鑑別
  • 胸水貯留か、胸膜肥厚→体位を変えて陰影の変化をみる


  • ref26;ref57
  • 050708
  • 縦隔陰影


  • 概念
  • 一般には上縦隔、前縦隔、中縦隔、後縦隔に区分
  • 腫瘍の局在を決定するために側面像が必ず必要
  • 原則としてextrpleural signを呈する
  • 気管支分岐部の角度拡大で左房拡大や縦隔腫瘍を疑う

  • 縦隔腫瘍と類似したX線
  • 小児の胸腺陰影: sail sign,
  • 血管陰影
  • 肺内病変: 肺癌の胸膜下や縦隔への発育
  • 横隔膜ヘルニア
  • 食道疾患
  • 胸郭病変


  • ref26;ref57
  • 050708
  • 若年者の異常陰影

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