梅毒

  • syphilis

  • 概念
  • 梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)による全身感染症
  • 感染経路は性行為(⇒後天梅毒)や経胎盤的(⇒先天梅毒

  • 診断
  • 梅毒トレポネーマの検出
  • ギムザ染色
  • ライト染色
  • 墨汁染色: 生きたまま観察できる
  • 暗視野顕微鏡: 生きたまま観察できる
  • 間接蛍光抗体法(FTA法): 現在ではさらに精度を上げたFTA-ABS検査が普及
  • グラム染色には染まりにくい
  • 培養は現在のところ成功していない
  • 血清学的検査 -画像-
  • 脂質抗原法: serologic test for syphilis(STS)
  • 約1か月で陽性になる
  • Wassermann抗体はトレポネーマの菌体蛋白と結合し抗原性を獲得したリン脂質を抗原とする→抗リン脂質抗体を持っていると陽性(生物学的偽陽性
  • 治療によって抗体価が変動(→治療効果の判定)
  • トレポネーマ抗原法: TPHA検査
  • 偽陽性がない
  • 陽転がSTSより約2週間遅れる
  • 治療しても永久に陽性

  • 治療
  • ペニシリンGが第一選択
  • ペニシリンアレルギーにはミノサイクリン
  • 妊婦にはアセチルスピラマイシン
  • Jarisch-Herxheimer現象: 菌が破壊され大量の抗原が放出されることにより、治療開始半日後に発熱発疹が出現する。治療を中断する必要はない。


  • ref9,p89;ref23;ref1
  • 050518;050822;051209
  • 先天梅毒

  • congenital syphilis
  • 感染症合併妊娠

  • 概念
  • 胎児が出生するとき既に梅毒トレポネーマに感染しているものをいう

  • 症状発現時期による分類
  • 早期: 2歳前より発症
  • 晩期: 2歳以降に発症
  • 再発: 2〜4歳で再度症状が出現する
  • 遅発: 学童から思春期にかけて症状が出現する


  • ref9,p91;ref20
  • 050518;051209

  • 早期先天梅毒

  • 症状
  • 梅毒性鼻炎: 鼻鞍などの変形
  • Parrot溝: 口の周囲に出現する放射状の瘢痕
  • Parrotの仮性麻痺: 疼痛のため手足を動かさない


  • ref9;ref1
  • 051209
  • 晩期先天梅毒

  • 症状
  • Hutchinson三徴候
  • Hutchinson歯牙: 永久歯が短くビア樽状、咀嚼する部分が陥凹
  • 実質性角膜
  • 内耳性難聴


  • ref1
  • 051209
  • 後天梅毒


  • 症状
    第1期から第4期に分けられる
  • 第1期: 感染後3か月まで
  • 初期硬結: 無痛性。やがて潰瘍を形成(硬性下疳)。
  • 無痛性横痃: 鼠径部の無痛性リンパ節腫脹
  • 無治療でも自然消退する
  • 第2期: 3か月から3年
  • 全身のリンパ節腫脹
  • 梅毒疹: バラ疹、丘疹、白斑、膿疹←トレポネーマの全身散布
  • 梅毒乾癬: 手掌や足底などに角化や落屑を伴う浸潤性の紅斑ないし丘疹
  • 扁平コンジローム: 陰部などの軟らかく抵抗の弱い部位の丘疹
  • 脱毛
  • 粘膜斑
  • 第3期: 3〜10年
  • 結節性梅毒
  • ゴム腫: 凝固壊死の一種
  • 第4期
  • 神経梅毒: 進行麻痺脊髄癆
  • 大動脈瘤

  • 感染源
  • 硬性下疳、扁平コンジローム、粘膜斑には多数のTreponema pallidumが存在し強力な感染源となる。


  • ref9,p89;ref1;ref64
  • 050518;051209;060118
  • 生物学的偽陽性

  • biological false positive (BPS)

  • 概念
  • STS法では非特異的脂質抗原を用いているため梅毒以外の疾患でも陽性になることがあり、生物学的偽陽性という。
  • TPHA法と不一致の場合は生物学的偽陽性の可能性を含めて慎重に判定する必要がある。

  • 陽性となる梅毒以外の疾患
  • 膠原病: SLEなど
  • 慢性肝炎
  • 感染症: 肺結核麻疹
  • 妊娠


  • ref1;ref9
  • 051209
  • Contents