心房粗動

  • atrial flutter

  • 病態
  • 三尖弁輪に沿って興奮が旋回する右房内マクロリエントリー
  • 異方向性伝導と長い活動電位持続時間という特徴をもつ分界稜が、リエントリー回路、緩徐伝導、一方向性ブロックを供給している
  • 三尖弁輪・下大静脈間の解剖学的峡部isthmusの線状アブレーションにより根治される
  • 先天性心疾患術後では心房切開自体が解剖学的障壁となり約10%の頻度で発症する
  • 心臓手術術後1週間ではよくある
  • 棘波は下壁誘導で明瞭

  • 分類
  • T型: 心房波240〜340/min
  • 通常型
  • 右房内を反時計回転で興奮旋回
  • U誘導で棘波が下に振れる←心房中隔、左房は上方へ向かい興奮
  • カテーテルアブレーションの成功率が高い
  • 非通常型
  • 右房内を時計回転で興奮旋回(多くは通常型と同一のリエントリーを有す)
  • U誘導で棘波が上に触れる←心房中隔、左房は下方へ向かい興奮
  • U型: 340/min以上

  • 心室への伝導比: 房室結節部の不応期の長さによる
  • 4 : 1 伝導が多い
  • 2 : 1 伝導ではF波の同定が困難となり、発作性上室頻拍症と間違われやすい
  • 房室伝導を抑制する薬物: ジギタリスβ遮断薬Ca拮抗薬など
  • 完全房室ブロック合併: F波と無関係に規則正しい著明な徐脈のR-R波

  • 鑑別
  • 発作性上室頻拍: 2 : 1 伝導の場合
  • Valsalva法: 房室伝導を抑制しF波を顕在化
  • ATP急速静注ベラパミル静注: 房室伝導の抑制によりF波が明瞭化。発作性上室頻拍では頻拍が停止することが多い。
  • 心室頻拍: 1 : 1 伝導の場合
  • 変行伝導のため右脚ブロックになりやすく幅の広いQRS波となる
  • 鑑別困難な場合は心室頻拍と診断し治療

  • 治療
  • 抗凝固療法: 塞栓症は心房細動よりは少ないが心房細動と同様の抗凝固療法が必要
  • 発作時の治療
  • 直流除細動が最も効果的
  • β遮断薬Ca拮抗薬ジギタリスで房室結節をブロックさせ心室収縮を減少させる。これらで房室伝導が弱まったら、クラスTaクラスTcで洞調律に戻させる。
  • 再発予防
  • カテーテルアブレーション: isthmusが旋回路に含まれる例で根治される。85%以上で有効。
  • 薬剤ではクラスTaが有効の場合がある


  • ref25,p38;ref43,11-18;ref5;ref47;ref55
  • 050606;050620;050621;050622;050706
  • Contents