肺塞栓症

  • pulmonary embolism

  • 概念
  • 塞栓子による肺動脈の血流障害
  • 塞栓子の約80%は血栓(肺血栓塞栓症)

  • 成因
  • 先天性
  • 血管壁の変化: Kasabach-Merritt症候群ホモシスチン尿症など
  • 血液性状の変化: 凝固阻止因子の低下、線溶能低下、フィブリノゲン血症
  • 血流うっ滞: Kasabach-Merritt症候群鎌状赤血球症
  • 後天性
  • 血管壁の変化: 静脈炎、血管炎症候群、骨盤内手術、外傷糖尿病抗腫瘍薬、血管造影
  • 血液性状の変化: ネフローゼ症候群妊娠血小板増加症多血症、担癌状態、経口避妊薬エストロゲン抗リン脂質抗体症候群
  • 血流うっ滞: 長期臥床、エコノミー症候群、静脈瘤、肥満妊娠、うっ血性心不全
  • 医原性: 心臓カテーテル検査中心静脈栄養ペースメーカー透析用シャント

  • 病態
  • 肺動脈の機械的閉塞、血小板からの血管作動物質の放出→急性肺性心、右心不全心原性ショック
  • 換気血流不均等分布→低酸素血症、過換気
  • 反射性に気管支収縮→気道抵抗上昇

  • 症候
  • 3徴候: 突然の呼吸困難胸痛、頻呼吸
  • 身体所見: 頻脈、頸静脈怒脹、Up音亢進
  • 肺梗塞合併では、血痰胸水発熱など

  • 検査
  • 呼吸性アルカローシス低酸素血症
  • FDPDダイマー上昇: 90%以上で陽性
  • 胸部X線: 局所の乏血所見(Westermark sign -画像-)、右肺動脈下行枝の拡張(Pella sign)、横隔膜上の三角錐の陰影(Hampton's hump)
  • 心電図: 右脚ブロック、V1〜V3の陰性T波
  • 心エコー: 心室中隔扁平化
  • 肺換気・血流シンチ: 血流欠損像
  • 造影ヘリカルCT、造影MRI
  • 深部静脈血栓の診断: 超音波、静脈造影。MRIは感度、特異度に優れる。

  • 治療
  • 抗凝固療法
  • ヘパリン: 活動性の出血がなければ適応。5〜7日間使用。
  • ワルファリン: ヘパリン終了の4〜5日前より投与開始←効果発現まで数日かかる。
  • 血栓溶解療法: 発症6時間以内に使用
  • ウロキナーゼ
  • t-PA
  • 肺動脈血栓除去術

  • 予防 -画像-
  • 抗凝固療法: ワルファリン内服、低分子ヘパリン皮下投与
  • 手術中の下肢の間欠的圧迫
  • 弾性ストッキング
  • 早期離床
  • 下大静脈フィルター: 活動性の出血がある場合や、十分量の抗凝固療法を施行中にも関わらず肺塞栓症を繰り返す場合に適応となる。



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  • 051208
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