急性虫垂炎

  • acute appendicitis

  • 概念
  • 虫垂に生じた化膿性炎症
  • 分泌物貯留→内圧上昇→カタル性虫垂炎→蜂窩識炎性虫垂炎→壊疽性虫垂炎→穿孔→腹膜炎
  • 10〜20歳代前半に好発←虫垂のリンパ組織が最も発達

  • 症状
  • 心窩部痛(内臓痛)、悪心嘔吐で発症
  • 炎症が腹膜に及ぶと疼痛は右下腹部に限局(体性痛)
  • 発熱: 腹膜炎の併発で高熱となる(→緊急開腹術を考慮)
  • 便秘気味←麻痺性イレウス(幼児では反応性に蠕動が亢進し下痢

  • 他覚所見
  • McBurney点
  • Lanz点
  • Rosenstein徴候: 仰臥位より左側臥位の方がMcBurney点の圧痛が強くなる現象。虫垂間膜緊張や、腹壁から虫垂への圧迫がしやすくなることによる。
  • Rovsing徴候: 左下腹部の圧迫で右下腹部に疼痛が生じる現象。腸管内のガスの回盲部への移動による。
  • 腹膜刺激症状→緊急開腹術

  • 検査
  • 血液: 白血球増加(約1/3では白血球数は正常範囲内)→緊急開腹術を考慮
  • 腹部単純X線: 麻痺性イレウスの所見、糞石
  • 超音波: 低エコー域の腫大した虫垂。壊疽性虫垂炎では虫垂は萎縮。糞石あれば高エコー域。

  • 治療
  • カタル性虫垂炎までは保存的療法
  • 禁食
  • 抗生物質: 第3世代セフェムカルバペネム
  • 蜂窩識炎性虫垂炎からは手術療法
  • McBurney法: 交叉切開法(外腹斜筋腱膜、内腹斜筋、腹横筋をそれぞれの線維束に沿って開排)。創の延長が困難。
  • Lennander法: 傍腹直筋切開法。虫垂を見つけにくい。腹壁瘢痕ヘルニアを起こしやすい。


  • ref15;ref23
  • 051106;051228

  • 特殊な虫垂炎


  • 幼児の虫垂炎
  • 訴え不明確→診断の遅れ→重症化の危険性
  • 穿孔する可能性が高い←虫垂壁が薄い
  • 下痢になりやすい

  • 高齢者の虫垂炎
  • 自覚症状が起こりにくい
  • 穿孔の危険性は高い←梗塞性の壊疽を起こしやすい

  • 妊婦の虫垂炎
  • 妊娠時期に関係なく開腹手術を行う
  • 診断が遅れやすく重症化しやすい
  • 妊娠5か月ごろから圧痛点が右上方に移動
  • 食欲不振嘔吐などの症状が妊娠による症状と鑑別しにくい
  • 妊娠中は軽度の白血球増多が存在している
  • 容易に汎発性腹膜炎←大網の位置移動で穿孔部位を被覆できない


  • ref15;ref24
  • 051106;051217
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