劇症肝炎


  • 概念
  • 症状発現後8週以内に出現する肝性昏睡U度(羽ばたき振戦あり)以上の脳症とPT時間の40%以上の延長
  • 生存率は30%程度

  • 原因
  • 肝炎ウイルス: HBVが多くHCVは少ない
  • 薬剤性: 約3%
  • 原因不明: 約40%

  • 病態
  • 免疫反応が圧縮した状態
  • アルブミン血症: 浮腫腹水
  • ビリルビン血症: 黄疸
  • 凝固因子産生低下: 出血傾向、消化管出血、DIC
  • 解毒機能低下
  • 網内系機能低下
  • 微小循環障害

  • 症状
  • 自覚症状: 意識障害黄疸増悪、下血、腹部膨満
  • 他覚症状: 黄疸、腹部波動、浮腫、肝濁音界縮小、肝性口臭、出血斑、肝性脳症

  • 検査
  • 血液検査
  • 酵素: 著しい高値のあと急性型では速やかに低下し亜急性型では中等度の高値継続
  • 肝合成能低下の所見
  • 分岐アミノ酸以外の遊離アミノ酸濃度上昇
  • アンモニア上昇: 1/4では上昇しない
  • 画像検査
  • 肝萎縮
  • 肝内エコーパターン不均一化
  • 胆嚢壁肥厚
  • 脳波
  • 脳症出現に先行し徐波化、平坦化
  • 脳症の出現とともに三相波

  • 鑑別
  • 急性肝炎重症型: 脳症0〜T度、予後は良好
  • 遅発性肝不全(LOHF): 発症が8週以降24週まで、劇症肝炎亜急性型に類似した病態で予後悪い
  • 亜急性肝炎: 漠然とした病名で最近はあまり用いられない
  • acute on chtonic: 慢性肝疾患の経過中に新たな原因が加わり肝不全
  • Wilson病
  • 自己免疫性肝炎
  • Budd-Chiari症候群
  • キノコ中毒

  • 診断
  • 劇症肝炎の診断基準
  • 肝性脳症の昏睡度分類

  • 合併症
  • 感染症出血傾向DIC、脳浮腫腎不全など

  • 予後
  • 亜急性型のほうが重症
  • 生存率はA型が73%、B型が50%である
  • 発熱を伴わない頻脈、頻呼吸で予後悪い
  • LOHF(late onset hapatic failure)は発症から脳症出現までの期間が8週以降24週まで(劇症肝炎は8週以内)であり、劇症肝炎亜急性型に類似した病態と考えられきわめて予後が悪い。

  • 治療
  • 一般的治療
  • ビタミンを加えたブドウ糖の点滴静注
  • 電解質補正
  • 肝炎に対する治療
  • 副腎皮質ステロイド
  • グルカゴンインスリン療法: 肝再生の促進
  • 肝機能維持
  • 血漿交換療法
  • 人工肝補助療法
  • アンモニア血症に対する治療
  • ラクツロース: 腸内で乳酸と少量の酢酸に分解され、腸内pHを下げ、アンモニア産生菌を抑制するともに、アンモニアやアミンの排泄を促進する。
  • 硫酸ポリミキシンB
  • 合併症に対する治療
  • H2受容体拮抗薬: 消化管出血
  • プロテアーゼ阻害薬(メシル酸ガベキサート)、ATV: DICの予防
  • マンニトール: 脳浮腫
  • 肝移植
  • 重症例では肝移植も考慮


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  • 050719;051117
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