肝膿瘍

  • liver abscess

  • 概念
  • 細菌性(化膿性肝膿瘍)とアメーバ性肝膿瘍がある



  • 化膿性肝膿瘍


  • 概念
  • 脈管や胆管を通じて、または直接に、細菌が肝に感染をきたして膿瘍が形成されたもの
  • 起炎菌は大腸菌クレブシエラ、シュードモナスなどのグラム陰性桿菌が多い

  • 感染経路による分類
  • 経門脈性: 急性虫垂炎潰瘍性大腸炎直腸肛門周囲膿瘍、憩室炎などによる。孤立性が多い。
  • 経肝動脈性: 敗血症など
  • 経胆道性: 肝内結石、総胆管結石、胆道系悪性腫瘍などによる胆道狭窄に続発する。多発性が多い。約60%を占める。
  • 直達性: 胆嚢炎など
  • 外傷
  • 医原性
  • 特発性

  • 症状
  • 3主徴: 発熱弛張熱または間欠熱)、腹痛肝腫大
  • 右上腹部痛、圧痛
  • 横隔膜、胸膜に波及すると右肩痛や刺激性咳

  • 検査
  • 炎症所見: 急性化膿性胆管炎に伴うものは、DICにより白血球減少、赤沈遅延となることもある。
  • 胆道系酵素トランスアミナーゼビリルビン上昇
  • 胸部X線: 横隔膜への波及があれば横隔膜挙上や胸水貯留
  • 超音波: 膿や壊死所見を反映した不規則な内部エコー。早期では嚢胞状とならず充実性を呈することがある。
  • CT
  • 経皮経肝胆道造影法(PTC): 肝内外胆管の拡張や狭窄を伴う胆管炎に続発した肝膿瘍では診断的価値が高い。さらにPTCDにより治療的処置。

  • 治療
  • ドレナージ: 超音波ガイド下ドレナージ、PTCD
  • 抗生物質: セフェム系が第一選択


  • ref1
  • 051117
  • アメーバ性肝膿瘍

  • amebic liver abscess

  • 概念
  • 赤痢アメーバが大腸より経門脈的に吸収されて肝に到達し膿瘍を形成
  • 海外渡航歴がない人の発症例が増加してきている
  • 95%は単発性で、90%は右葉に形成する

  • 疫学
  • 20歳代と40歳代にピーク
  • 圧倒的に男性に多い

  • 症状
  • 3主徴: 発熱肝腫大、右上腹部痛
  • 胸膜炎膿胸を起こすと咳嗽、右側胸部痛

  • 検査
  • 炎症所見
  • 超音波ガイド下穿刺: チョコレート色粘調膿汁
  • 超音波: 壁エコーは薄いが境界明瞭。比較的内部エコーが均一。
  • CT
  • 胸部X線: 右横隔膜のドーム状挙上

  • 確定診断
  • 膿汁や肝嚢胞壁からのアメーバ証明
  • 血清学的診断

  • 治療
  • 穿刺吸引術
  • メトロニダゾール経口投与: 遅れると予後不良になる


  • ref1
  • 051117
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