ウイルス性脳炎

単純ヘルペス脳炎

  • herpes simplex encephalitis
  • 単純ヘルペスウイルス


  • 概念
  • HSV-T: 乳児期以降に単純ヘルペス脳炎、乳幼児では初感染もあり、成人では回帰感染がほとんど
  • HSV-U: 新生児に単純ヘルペス脳炎産道感染、成人の髄膜炎

  • 症状
  • 発熱頭痛で発症することが多い
  • 精神症状: 行動異常、見当識障害、性格変化、幻覚
  • 多彩な神経症状: 片麻痺、失語症、運動失調、脳神経麻痺
  • 意識障害: せん妄
  • 髄膜刺激症状←髄膜にも炎症波及

  • 検査
  • 髄液検査
  • ウイルス性髄膜炎と同じ所見
  • 髄液中の赤血球(→キサントクロミー)←破壊力が強い
  • オリゴクロナルバンド: γ-グロブリン分画に数本の不連続な異常バンド
  • HSV-T抗体価上昇: 早期診断には不向き
  • 核酸検査: 偽陽性の問題
  • 画像
  • CT: 低吸収域(側頭葉が最も侵されやすく前頭葉下面も侵されやすい)、早期診断には不向き
  • MRI: T2強調画像、プロトン密度強調画像で高信号
  • SPECT: 血流増加←炎症
  • 脳波
  • 周期性一側てんかん型放電

  • 治療
  • アシクロビル: 早期投与が予後を左右
  • 後遺症発現率は40%程度


  • ref8,p164;ref1;ref23
  • 050515;050718;050815

  • 日本脳炎


  • 概念
  • 日本脳炎ウイルスによる脳炎で致命率が高い

  • 疫学
  • 毎年夏季に西日本で流行する(年間10例以下)
  • 世界的には東南アジア全域、オセアニア地域で流行している

  • 症状
  • 頭痛発熱で急激に発症
  • 髄膜刺激症状意識障害、錐体外路症状
  • 痙攣運動麻痺病的反射を伴うこともある
  • 重症例では5〜7日で死亡
  • パーキンソニズム運動麻痺、精神症状などの後遺症

  • 診断
  • 髄液所見
  • 画像: 視床、基底核、黒質
  • ペア血清4倍以上の抗体価の変動

  • 治療
  • 対症療法

  • ref1
  • 060113
  • インフルエンザ脳症

  • インフルエンザ脳炎

  • 疫学
  • わが国では100人以上/年が死亡している
  • 幼児に多い

  • 病態
  • A型インフルエンザウイルスによる
  • 感染経路: 嗅神経経由、ウイルス血症
     (ウイルスの脳への進入よりも サイトカインの関与の報告もある)
  • アスピリン使用歴はなくReye症候群とは異なる

  • 症状
  • 呼吸器症状
  • 発熱
  • 神経症状: 意識障害痙攣

  • 検査
  • 浮腫
  • ときに両側視床に対象性に壊死性病巣
  • 髄液細胞数は正常
  • ペア血清で抗体価上昇
  • ウイルス分離
  • アンモニアは正常なことが多い(⇔Reye症候群

  • 治療
  • アマンタジンが有効

  • 予後
  • 後遺症や死亡例が多い


  • ref1
  • 051003
  • Contents