大脳の変性疾患


Alzheimer病


  • 概念
  • 65歳以前発症の初老期痴呆とAlzheimer型老年痴呆を含む

  • 疫学
  • 痴呆の原因として脳血管性痴呆より多いとされる
  • 女性に多い

  • 病態
  • 神経細胞外でのアミロイドβ蛋白の異常な蓄積: 老人斑
  • それから10年以上してから細胞内にリン酸化タウ蛋白の重合: 神経原線維変化
  • リン酸化タウ蛋白の重合がない神経細胞の細胞死もある

  • 症状: 高齢者では進行が緩徐
  • 第1期
  • 記憶障害: エピソード記憶の障害が多い、病態失認的態度
  • 見当識障害
  • 不如意の感覚: うまくいかないことに対して漠然とした不安感
  • 精神症状: 抑うつ、無頓着、無欲的
  • 人柄の変化
  • 第2期
  • 記憶障害: 長期記憶まで及ぶ
  • 発語異常: 反響言語、語間代
  • 大脳巣症状: 失行失認、計算力低下
  • 陰性症状の頻度が高まる
  • 人格形骸化
  • 第3期
  • 発語量の著しい減少
  • 大脳皮質機能の高度な障害: 失外套症候群
  • 摂食障害感染症などで致死的経過

  • 検査
  • 大脳の全般的萎縮: 特に側頭葉内側→側脳室下角の開大
  • 側頭葉、頭頂葉皮質の血流・糖代謝の低下
    (早期発見のためのMRIによるアミロイドの検出が研究段階)

  • 治療
  • 塩酸ドネペジル: 症状改善効果があるが根本療法ではない
  • アミロイドβに対するワクチン療法(グリア細胞が貪食)、スタチン系、NSAIDsなどによる治療が研究段階


  • ref1,p1993;ref4;ref63
  • 050721
  • びまん性Lewy小体病


  • 概念
  • Alzheimer病に似た進行性痴呆パーキンソニズムを示す
  • Lewy小体が大脳皮質に出現し、老人斑などのAlzheimer病変も示す

  • 症状
  • Alzheimer病に類した痴呆症状
  • 具体性を帯びた幻視が特徴的
  • パーキンソニズム


  • ref1,p1994
  • 050808
  • Pick病


  • 概念
  • 人格障害言語障害知能障害を3徴とする
  • 初期には知能障害は目立たない
  • 前頭葉、側頭葉に限局した高度の萎縮

  • 症状
  • 第1期
  • 欲動的脱制止: 慣習や規則を無視した脱抑制的な欲動行動
  • 痴呆症状は目立たない
  • 第2期
  • 滞続言語: いつも同じ応答を繰り返す
  • 失語
  • 自発性消失
  • 痴呆症状が現れる
  • 第3期
  • 精神的荒廃
  • 発症後5〜10年で寝たきり、失外套症候群、全身的合併症

  • 検査
  • MRI: 前頭葉が葉状に萎縮


  • ref1,p1994;ref26
  • 050808;051109
  • Contents