運動ニューロンの変性症

筋萎縮性側索硬化症

  • amyotrophic lateral sclerosis; ALS

  • 概念
  • 上位および下位運動ニューロンが選択的に障害される神経変性疾患
  • 原因不明
  • 5〜10%は遺伝性筋萎縮性側索硬化症(多くは常染色体優性遺伝

  • 病理
  • 肉眼所見
  • 脊髄前根の萎縮
  • 脊髄前角の萎縮
  • 側索、前索の変性
  • 組織所見
  • 大脳皮質のBetz巨細胞、脳神経運動核、脊髄前角細胞の変性脱落
  • Bunina小体: 残存運動ニューロンの好酸性の細胞質封入体 -画像-

  • 症候
  • 初発症状
  • 一側上肢の筋力低下から始まることが多い
  • 球麻痺
  • 呼吸筋麻痺
  • 下肢遠位部の筋力低下
  • 上位運動ニューロン障害による
  • 四肢の痙縮
  • 深部腱反射亢進
  • 痙性対麻痺
  • 仮性球麻痺
  • Babinski徴候: 半数以下
  • 下位運動ニューロン障害による
  • 筋萎縮
  • 筋力低下
  • 頸部に及ぶと首下がり
  • 咽頭部に及ぶと球麻痺
  • 呼吸筋麻痺
  • 線維束性収縮 fasciculation
  • 深部腱反射低下
  • 陰性4徴候
  • 眼球運動障害、膀胱直腸障害、感覚障害褥瘡は認められない

  • 検査
  • 筋電図: 神経原性変化、脱神経所見
  • 運動神経伝導検査: 振幅低下
  • 頭部MRI: 内包後脚(錐体路)がT2強調画像で高信号を呈することがある
  • 筋生検: 神経原性変化

  • 治療
  • リトゾール: グルタミン酸拮抗薬
  • 対症療法


  • ref1,p2014
  • 050810

  • 脊髄性進行性筋萎縮症

    脊髄性筋萎縮症

  • spinal muscular atrophy; SMC

  • 概念
  • 小児発症の下位運動ニューロン疾患
  • 常染色体劣性遺伝形式
  • 脊髄前角細胞と脳神経核の変性・脱落
  • 四肢近位筋優位の筋萎縮筋力低下
  • 知能、感覚は保たれる

  • 分類
  • SMAT(重症型、Werdnig-Hoffmann病
  • SMAU(中間型)
  • SMAV(軽症型、Kugelberg-Welander病


  • ref1,p2017
  • 050822
  • Werdnig-Hoffmann病

  • 概念
  • 生後6か月以内に発症
  • floppy infant
  • シーソー様呼吸: 肋間筋の高度の筋力低下
  • 嚥下障害、構音障害、哺乳力低下


  • ref1,p2017
  • 050822
  • Kugelberg-Welander病

  • 概念
  • 1歳6か月から思春期にかけて発症することが多い脊髄性筋萎縮症の軽症型
  • 腰帯筋や下肢近位の筋力低下にともなう歩行障害などが初発症状となる
  • 血清CKは正常ないし軽度高値を示す
  • 多くは30歳ごろまでに歩行不能になり、呼吸器感染症死因となることが多い


  • ref1
  • 060113
  • Contents