胸部外傷


  • 概念
  • 85%が鈍的胸部外傷であり、その3/4が交通外傷による
  • 胸腔内臓器損傷が重篤であっても体表面に傷を認めないことが多い

  • primary survey
  • 症状、身体所見、FASTにより診断
  • 診断すべき外傷
  • 気道閉塞(外傷性窒息
  • フレイルチェスト
  • 緊張性気胸
  • 開放性気胸
  • 大量血胸
  • 心タンポナーデ

  • secondary survey
  • 診断すべき外傷
  • 胸郭の骨折
  • 気胸血胸
  • 肺挫傷、肺裂創
  • 気管・気管支損傷: 気管支内視鏡
  • 心筋挫傷、心内損傷、心膜損傷
  • 大血管損傷
  • 横隔膜損傷
  • 食道損傷: 胃内視鏡

  • 治療
  • 開胸手術適応
  • 大量または持続性胸腔内出血: 胸腔ドレーン挿入と同時に1,000mL以上の血液排出、または200mL/時以上の出血の持続
  • 大量または持続性胸腔内空気漏出
  • 急性心タンポナーデ
  • 大血管およびその分岐の損傷
  • 気管・気管支損傷
  • 食道損傷
  • 胸骨や肋骨骨折端の偏位高度なフレイルチェスト
  • 横隔膜損傷
  • 処置室での心停止: 開胸式心臓マッサージを行う


  • ref70;ref93
  • 050819;051123

  • 外傷性窒息

  • traumatic asphyxia

  • 概念
  • 声門が閉じた状態のときに胸郭に大きな外力が加わった結果、頭頸部や肺実質の小静脈や毛細血管が破綻し、びまん性の間質内出血をきたし、肺のガス交換能を障害する

  • 診断
  • 受傷機転
  • 顔面、頸部の点状出血とチアノーゼ
  • 舌や口唇の腫脹
  • 眼瞼結膜の点状出血
  • 意識障害
  • 低酸素血症


  • ref93
  • 051123
  • 皮下気腫


  • 概念
  • 皮下組織内に空気が貯留した状態
  • 空気の侵入路は、外部からの侵入、気胸からの侵入、気管・気管支損傷や食道損傷などに伴う縦隔からの侵入がありえる

  • 診断
  • 握雪感
  • 捻髪音
  • 胸部X線胸部CTでのガス像

  • 治療
  • 軽度では必要ない
  • 高度では頸部や前胸部の皮膚切開


  • ref93
  • 051123
  • フレイルチェスト

  • flail chest, 動揺胸郭

  • 概念
  • 連続する3本以上の肋骨がおのおの2か所以上で分節骨折を起こした結果、この部分がflail segmentとなり、奇異呼吸を呈する -画像-

  • 症状
  • 奇異呼吸: 吸気時に患部は陥凹し、呼気時には膨隆する
  • 呼吸困難: 換気量が十分に保たれない -画像-
  • 縦隔動揺: 吸気時に縦隔が健側に呼気時に患側に移動する現象、特に外開放性気胸で顕著

  • 治療
  • 内固定: 気管内挿管人工呼吸器による間欠的陽圧呼吸法を行う
  • 外固定: 胸郭を外側から物理的に支持する方法であるが、救急処置としてのみ行なわれる
  • 観血的固定: 肋骨を固定釘にて固定する。


  • ref23;ref70
  • 050819
  • 閉鎖性気胸

  • closed pneumothorax

  • 概念
  • 肋骨骨折端による肺損傷に伴い発生することが多い

  • 症状
  • 胸痛呼吸困難
  • ときに皮下気腫

  • 診断
  • 気胸

  • 治療
  • 肺の虚脱率50%未満で進行しないものは、安静臥床や脱気で経過観察(人工呼吸が必要となる場合は経過中の緊張性気胸の合併予防に胸腔ドレナージを行う)
  • 肺の虚脱率50%以上では胸腔ドレナージの適応


  • ref93
  • 051123
  • 開放性気胸

  • open pnemothorax

  • 概念
  • 穿通性胸部外傷や爆傷でみられる
  • 患側肺は高度に虚脱し、呼吸困難チアノーゼ低酸素血症を呈する

  • 診断
  • sucking wound

  • 治療
  • 深呼気で胸壁創を閉鎖
  • 直ちに胸腔ドレナージ


  • ref93
  • 051123
  • 緊張性気胸

  • tension pneumothorax

  • 概念
  • 空気流入部が一方向弁状(check valve)の気胸のとき、呼吸運動のたびに空気貯留が進行し、患側肺の高度な虚脱、縦隔の健側への偏位、患側横隔膜の下降がおこり、呼吸循環不全を呈した状態。

  • 症状
  • 不隠
  • 呼吸困難、努力呼吸
  • チアノーゼ頻脈血圧低下

  • 理学所見
  • 経静脈怒脹
  • 患側胸郭の膨隆、皮下気腫
  • 呼吸音消失、打診上鼓音

  • 心肺蘇生中に緊張性気胸を考慮する病態
  • 胸腔ドレーンのみで救命できるため見逃してはならない!
  • 胸部外傷気管支喘息慢性閉塞性肺疾患の心肺停止
  • PEA
  • 頸部の気管の偏位
  • 静脈怒張
  • バッグマスクを押していて硬い
  • 人工呼吸中に皮下気腫が拡大していく

  • 治療
  • 迅速に胸腔ドレナージ: 手元にない場合は胸壁穿刺や胸壁切開


  • ref93;ref101
  • 051123;051229
  • 肺損傷

    気管・気管支損傷

    心損傷

    大血管損傷

    肋骨骨折


  • 概念
  • 第4〜10肋骨に多くみられる
  • 肺損傷による気胸血胸や、付近の臓器損傷により致命的になるものもあり注意する

  • 合併症
  • 第1〜4肋骨: 大血管損傷気管・気管支損傷
  • 右8〜12肋骨: 血気胸、肺挫傷、肝損傷、腎損傷
  • 左8〜12肋骨: 血気胸、肺挫傷、脾損傷、腎損傷


  • ref101
  • 051229
  • Contents