概念
発生頻度は全外傷の2〜3%といわれる
出血性の病態と炎症性の病態があるが、出血性の病態に対する診断・治療が優先される
症状
腹痛: 炎症性の病態でより顕著
腹膜刺激症状: 腹壁損傷のみでも類似の所見がみられることや、後腹膜領域の炎症では所見が得られにくいことに注意
頭部外傷や脊髄損傷の合併があると腹部所見が不明瞭となったり、血圧や脈拍が出血量と合わないことがある(⇒Cushingの3徴候)。
検査
画像検査
胸腹部単純X線: 腹腔内遊離ガスの検出を主目的とする
腹部エコー: 腹腔内出血の有無と程度の診断を主目的とする
腹部CT: 循環動態が不安定で緊急に止血処置が必要な場合は禁忌とされている
経静脈的腎盂造影: CTより診断的価値は低い。必要なら造影CT後の単純X線。
血液・尿検査
画像診断の進歩により診断的価値が薄い
アシドーシスの状態が出血量に相関するという報告
治療
初期全身的治療
静脈路確保: 重症例では大量輸液・輸血のために2か所以上。下大静脈の損傷を伴う場合もあり原則として上大静脈系。
酸素吸入
出血性損傷に対する治療
活動性出血がなければ保存的治療
肝・脾損傷における動脈性の出血に対して経カテーテル動脈塞栓術が有用
循環動態が著しく不安定な場合には開腹手術
炎症性損傷に対する治療
消化管破裂・穿孔の修復
膵・腎尿路損傷における膵液・尿のドレナージ
腹腔内汚染に対する洗浄やドレナージ、抗生物質投与
ref70
050819
概念
ハンドル、鉄棒、机の角などが上腹部に食い込むような外傷機転をもつ
来院時には症状が軽いが、しだいに増強して救急室に戻ってくることがあり注意が必要→再受診では腹部外科医へコンサルトするべき
考慮する病態
腹膜炎症状が送れて出現: 消化管穿孔、膵挫傷
出血がゆっくり持続、遅発性再出血: 腸間膜損傷、遅発性脾臓再出血
腸管の通過障害が遅れて出現: 十二指腸壁の血腫
ref101
051229