溺水

  • near-drowning

  • 概念
  • 水中に顔面が没して生じる窒息例のうち、一時的にせよ生命徴候を認めたもの
  • 死亡した場合は溺死といい区別する

  • 分類
  • 一次性溺水
  • 液浸症候群: 冷水に浸った瞬間の副交感刺激により心静止、心室細動
  • 湿性溺水
  • 乾性溺水
  • 二次性溺水

  • 病態
  • 呼吸不全による低酸素血症が最も問題になる
  • 90%以上が液体を誤飲(湿性溺水): 最初の胸部X線撮影では正常の場合もある
  • 海水溺水では、浸透圧勾配により肺胞内に体液が移動する
  • 淡水溺水では、肺胞内に入った水が吸収される際に肺サーファクタントの変性が生じ、肺胞が虚脱する
  • 電解質や循環血漿量の異常: 軽度かつ一過性であることが多い
  • 海水溺水では、循環血漿量の低下とその後の高Na血症を起こす可能性がある
  • 淡水溺水では、まれに低Na血症や溶血までを伴う循環血漿量の増加を起こす
  • 低体温

  • 診療
  • 心肺蘇生: 始める前に、胃や気管に入った液体を出す必要はないが、口腔〜咽頭に吐物がないかを確認する。
  • 高濃度の酸素投与
  • 人工呼吸: CPAPとPEEPが有効
  • 低体温に対する治療
  • 汚染された水での溺水では抗生物質投与(効果は確認されていない)


  • ref5;ref70;ref94;ref82;ref101
  • 050817;051127;051206;051222
  • 乾性溺水

  • dry near-drowing

  • 概念
  • 肺に水が入っていない状態での溺水
  • 水が咽頭に急激に入ったきたとき声門痙攣、無呼吸が約8〜10分続き、この間に的確な処置を行えば90%は蘇生する(これを過ぎると予後は悪化する)


  • ref101
  • 051222
  • 二次性溺水

  • secondary drowning

  • 概念
  • 液体、不純物のaspirationによる肺損傷ARDS、感染のために時間が経過してから死亡するもの
  • third spaceに吸収された水が12〜24時間後に血管内に入り肺水腫をきたすことがあるので、溺水の救助後に一時的に回復したように見えても経過観察が必要。


  • ref101;ref24
  • 051222
  • Contents