遺伝性角化症

尋常性魚鱗癬

  • ichthyosis vulgaris

  • 概念
  • 皮膚の乾燥と鱗屑を特徴とする
  • 常染色体優性遺伝形式
  • 魚鱗癬のなかで最も多い(約300人に1人)

  • 病因
  • プロフィラグリンの合成が低下しているためケラトヒアリン顆粒の発達が悪く、保湿因子が減少するため皮膚は乾燥する
  • 角層の粘着性亢進のため角質肥厚

  • 症状
  • 多くは乳幼児期に発症する
  • 粃糠様の鱗屑 -画像-
  • しばしば毛孔性角化を伴う
  • 四肢伸側、体幹背部に強い
  • 冬季に悪化
  • アトピー性皮膚炎を合併することがある

  • 治療
  • 角質溶解剤
  • 尿素軟膏


  • ref64
  • 050904;050919

  • 伴性遺伝性魚鱗癬

  • X-linked ichthyosis

  • 概念
  • ステロイドスルファターゼの欠損による角質剥離遅延のため角層が厚くなる
  • 尋常性魚鱗癬より重症
  • 男児6,000人に1人の頻度

  • 症状
  • 胎生期の胎盤機能不全←ステロイドスルファターゼ欠損
  • 生後まもなく発症
  • 関節屈側や腹部も侵す
  • 季節による症状の変動はない
  • 大型で褐色調の魚鱗癬 -画像-
  • 角膜混濁を呈することもある

  • 治療
  • 角質溶解剤
  • 尿素軟膏


  • ref64;ref7;ref4
  • 050919
  • Darier病

  • keratosis follicularis

  • 概念
  • 常染色体優性遺伝形式によるカルシウムポンプの異常を病因とする角化症
  • 10万人に1人程度の頻度

  • 病理
  • 角質肥厚
  • 表皮肥厚
  • 異常角化: 円形体、顆粒
  • 基底細胞層上部の裂隙、延長した真皮乳頭の裂隙内への突出
    -画像-

  • 症状
  • 思春期前後に発症
  • 褐色調の疣状痂皮性小結節が散在性に生じ、やがて融合して局面となる -画像-
  • 顔、頸部、腋窩、乳房下部、腹部、鼠径部などに対称性に好発
  • 爪の脆弱化、爪甲下角質増殖などが高率に見られる
  • Kaposi水痘様発疹を生じやすい
  • 夏に増悪する

  • 治療
  • レチノイド内服
  • 角質溶解剤外用
  • 皮膚剥離術


  • ref64;ref7
  • 050904;050919
  • 毛孔性苔癬

  • lichen pilaris

  • 概念
  • 病因は不明だが常染色体優性遺伝が推定されている
  • 上腕、大腿伸側、殿部に好発する毛孔一致性丘疹
  • 毛孔の開大とそのなかの角質充満の病理像を呈する
  • 思春期ごろに目立ち、多くは加齢とともに軽快する


  • ref64
  • 060118
  • 汗孔角化症

  • porokeratosis

  • 概念
  • 常染色体優性遺伝
  • 褐色の小丘疹に始まり、楕円形・不規則環状の角化性局面が形成される
  • 辺縁部に一致して錯角化を伴う角栓がみられる
  • 皮疹上に有棘細胞癌が発生することがある


  • ref64
  • 060118
  • Contents